修験者・山伏

修験者は修行の道具を身にまとい、山に篭って厳しい修行を行い、その功徳として特別な力「験力」を得ます。その験力を以て、衆生の救済を目指すのです。錫杖(杖のようなもの)、ホラ貝(合図の道具)、笈(仏具の入ったリュックサック)を携えて険しい山に入り、何日も修行をしたり、雨乞いの儀式を執り行うこともあります。

究極のアスリート?
修験者が修行する山は、山岳信仰の対象となる険しい山々です。道なき道を進み、谷や川を越え、様々な修行を行いながら山を踏破します。山に入る時には、生存に必要な最低限の飲料水や食料だけをもち、山中にある、雨露をしのげる簡素な古いお堂などで睡眠をとります。自然と一体化することで、山の持つ霊力を得ようとしているのです。

忍者?スパイ?
戦国時代、修験者は修行を理由に諸国を歩き回ることが許されていました。これに目を付けた大名達が修験者を諜報活動に利用していたのかも。もしかすると、修験者の一部が忍者の役割を果たしたのかもしれません。映画やアニメで忍者が手で印を結び呪文を唱えて忍術を使う場面などもありますが、これは、修験者の呪術的な側面が描かれていると想像を逞しくするのも面白いかもしれません。

薬屋さん?お医者さん?
病気やケガをした時の対処法、薬草や薬草の知識等も持っていなければ、自然の中で生き抜くことはできません。修験者は、そういった知識も持ち合わせていたものと考えられます。修験者が里にくると、民衆の方々の病気の治療や怪我の手当をして、感謝されていたでしょう。