日本三大修験道場

修験道の修行を行う霊山は日本各地にあります。なかでも、「大峯山」(奈良県)、「羽黒山」(山形県)は長い歴史をもった代表的な修験道場であり、明治以前までの「英彦山」(福岡県)を加えて、日本三大修験道場と呼ばれ、修験道にとって大事な場所となっています。ここでは、日本三大修験道場の代表的な社寺をご紹介します。

金峯山寺

住所
奈良県吉野郡吉野町吉野山2498
拝観料
500円(特別御開帳の期間は1,000円)
拝観時間
午前8時30分~午後4時30分
アクセス
近鉄吉野線吉野駅から、ロープウェイに乗り換え。ロープウェイ吉野山駅下車。徒歩約10分
公式ホームページ
http://www.kinpusen.or.jp/

日本一の桜の名所、奈良県吉野山の真ん中に位置する金峯山寺は、1300年の歴史を有する修験道の根本道場です。このお寺で特筆すべきは、蔵王堂(国宝)と呼ばれる厳格な雰囲気のある本堂です。高さ34メートルにもおよび、日本で2番目に大きな木造古建築だと言われています。 蔵王堂には、それぞれ高さが約7メートルもある、3体の蔵王権現像が安置されています。蔵王権現は、修験道独自の本尊で、修験道の開祖である役行者が厳しい修行の末に感得した仏とされています。 平成16年には、金峯山寺を含む「紀伊山地の霊場と参詣道」がユネスコの世界文化遺産に登録されました。

英彦山神宮

住所
福岡県田川郡添田町英彦山1
拝観料
無料
拝観時間
午前9時~午後5時
アクセス
JR九州 日田彦山線 添田駅から添田町バスでバス停「銅の鳥居」まで。
公式ホームページ
http://hikosanjingu.or.jp/

北九州の山の最頂点に立つ英彦山神宮は、素晴らしい歴史と景色を誇ります。英彦山は古来から神の山として信仰されていた霊山であり、修験道にとっても、歴史的には大切な場所でした。ただ、残念なことに、明治の神仏分離によって修験道は廃れてしまいました。 英彦山には二つの小さな博物館があります。ここにはかつての英彦山修験で使われた様々な仏具、装束、文書などの貴重な展示されており、往時の英彦山修験の隆盛を偲ぶことができます。 神社の入り口である銅鳥居から奉幣殿までは、参道を歩くかスロープカーに乗っていくことができます。参道の左右にはかつて修験者たちが暮らしていた寺院の跡を見ることができます。 山の山頂には上宮と呼ばれるお宮があります。最短のルートでも往復で4時間はかかる難関なハイキングではあります が、自然を満喫できる素晴らしい体験をすることができるでしょう。

出羽三山神社

住所
山形県鶴岡市羽黒町手向字手向7
拝観料
無料
アクセス
JR東日本羽越本線 鶴岡駅前から庄内交通バスで羽黒山行き。終点で下車。表参道の石段を登る場合は、随神門で下車。
公式ホームページ
http://www.dewasanzan.jp/

出羽三山とは羽黒山、月山、湯殿山の総称です。出羽三山神社は羽黒山の頂上にあります。 山頂まではバスでも行けるのですが、杉並木を通り山頂までの2246段もある石段を歩いて登ることをお勧めします。石段には33個の絵が彫られており、それらすべてを見つけると幸運が訪れると言われています。山頂に向かう途中には 937年に建てられた五重塔(国宝)や樹齢1000年を超える杉などがあります。このハイキングの最中、運が良ければ修行中の修験者と出会える可能性もあります。 出羽三山では、仏教と神道の伝統を融合させた山岳信仰に基づく日本固有の宗教である修験道を知ることができます。 修験者は山伏と呼ばれ、人々の役に立つため、物理世界を超越します。羽黒山は美しい場所であり、また修験者にはとても重要な場所です。もし仏教や神道の伝統や素晴らしい景色に興味があるなら本当に行く価値のある場所です。 また、文化記念館には、修験道、修験者(山伏)、出羽三山に関するものが展示されていますので、こちらも一見の価値があります。