青森県下北半島の大間と言えば、誰もが知る日本屈指のマグロの産地です。
そこで地元の漁師たちから篤く信奉されている普賢院別当 曹洞宗 大澗山(だいかんさん)福蔵寺の別院として、2018年に「おおま宿坊 普賢院」は誕生しました。
坊を預かるのは、院代の菊池雄大さん。
若い感性で、女性や若い人たちがくつろげ、仏教に触れることができる空間を生み出しています。
「佛光庵」と名が付いた宿坊は、木々に囲まれた三千坪の境内に一棟。
外国のロッジを思わせる雰囲気で、ソファや瞑想チェアが置かれたサンルームと寝室の二間があります。夜は静寂が、朝は野鳥の声が心を穏やかにしてくれる場所です。
利用者はここで思い思いの時間を過ごしながら、坐禅や写経、法話といった禅体験に参加。近くには温泉もあり、大間崎へも車で数分です。
さて、夜になるとお待ちかねの夕食。漁師がマグロを卸す店で仕入れるマグロはもちろん、旬の魚介が堪能できます。
しかも料理は、ゲストの出身地などを聞いた上でその都度味付けに工夫をするというこだわりよう。
食事は院代も共にするため、おいしいマグロを味わいながら、大間のこと、寺のこと、そして仏教のことまで、時間が許す限り話を楽しめるのも魅力です。
朝食は精進料理。味わいが体に優しく広がる粥、それに胡麻豆腐や炊きもの。
ゆっくり噛みながら、体を目覚めさせていきます。
気軽に仏教に触れられる場所として開設された「おおま宿坊 普賢院」。
チェックアウトのあとは、町の中心部にある福蔵寺へもぜひ足を運んでみましょう。
福蔵寺の向かいには漁師たちが大漁祈願に訪れる龍王殿もあり、寺と地域との密接な関係を知ることができます。